
光武美沙希 個展
「SIGNI」
2025年5月4日日曜日-31日土曜日
日常の風景が別のものに見える瞬間
身近な「サイン」
自画像 ”みっちゃん”の背景に覗く
イメージとメッセージの「サイン」

Self Portrait
みっちゃん
ある日突然、クロッキー帳に「みっちゃん」が生まれた時を境に、自画像を描き続けています。
自画像は作家自身の姿をただ写し出すだけでなく、一枚の絵でその画家の人生や自己(表現)の確立、試行錯誤など、多くの事を感じ取れる大変魅力ある絵画表現の一つです。人々が美術史に残る自画像に惹かれるのは何故でしょうか。それはきっと、その絵を通して鑑賞者を映し出す”鏡”のような力を持っているからなのではないかと考えられます。全くの他人でありながらどこか親近感や共感を持ったり、なぜだかその絵に見透かされているような感覚があったりするのは、自分が鑑賞者ではなくその絵が鏡となって私たちが見ている人物、すなわち”自分”を見ているからなのでしょう。
「みっちゃん」は私自身でもありますが、記憶や夢であったり、私とは別の存在であったりと変幻自在です。
ゆとり世代の多様化していく現代の中で、変わっていくものの恐怖や抵抗、変わりたくない過去への執着、自然愛と自然でいたい欲求。様々な要因がこの自画像に込めれており、過去や日常を絵に投影することで過去の幼い自分を満たしてあげていると同時に「みっちゃん」に教ってもらっているのだと考えられます。
また、インナーチャイルドを持つ自分と自問自答しながら長年描いている中で、少しずつ大人になってきました。それはみっちゃんの表現にも現れており、内にこもっていたものが徐々に外に向けられるようになり、ここ最近は自分自身を描くだけでなくモチーフを通して社会や現代を生きる私たちのリアリティを描くようになり、より一層自画像の鏡としての役割が強く出るようになったのではないかと感じます。そのような変化もこのポートフォリオでご覧いただければと思います。
私が歳をとって、シワシワのおばあちゃんになってもこのスタイルで描き続けるのかは正直わかりません。ある日「みっちゃん」が突然生まれたように、画材を変えてみた時のように、私の自画像はこれからも変化をし続けていくでしょう。この紙切れ一枚で私の全てを言葉で言い表せないように「みっちゃん」もまた、一枚の絵が私の全てではありません。そんな自画像の表現に大きな可能性を感じながら今日も描いています。そして私の絵をご覧になった方々にも「みっちゃん」を通して何かを感じて頂ければ幸いです。
< 光武美沙希プロフィール >
長崎県佐世保市出身、熊本市在住
崇城大学芸術学部美術学科洋画コース卒業
〈賞歴〉
2014 年:熊日美術公募展「くまもと『描く力』2015」入選
2015年:第27回熊本市民美術展 熊本アートパレード「What a lovely day!」 優秀賞 / 第25回記念 英展出品
2016年: 第28回熊本市民美術展 熊本アートパレード「未来のおみやげ」熊本市現代美術館賞(第二席)
2017年:熊日美術公募展「くまもと『描く力』2017」 入選
2018 年:第29回熊本市民美術展 熊本アートパレード「たいぎゃよか」奨励 / 第14回世界絵画大賞展 入選
2022年:第18回世界絵画大賞展 優秀賞(第二席)
〈個展 / グループ展 / 企画展〉
2017年:個展「みっちゃん展」(でんでん舎 / 熊本市)
2019年:個展「tone」(RESTERS BED&CO. / 熊本市)
2020年:個展「陽のあたる場所」(雲仙九州ホテル / 雲仙市)
2021年:個展「わたしの、あなたの日常」(COCOWALK / 長崎市)
2022年:Kyushu New Art( 博多阪急 / 博多)
2022年:パルコ感覚(福岡PARCO / 天神)
2023年:第19回世界絵画大賞展 特別展示(東京都美術館 / 東京)/ Artists Q-shu(ギャラリーかわなか / 宮崎) / Core – 呼応する芸術- (GALLERY AND LINKS81.one / 東京)
2024年:IWATAYA Life With Art(岩田屋本店 / 天神)/ ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024(福岡国際センター / 博多)
その他企画展、グループ展など多数